病院局トップ病院局長からのメッセージ

平成から令和、そして2020年へ 令和元年12月27日
 2019年も残すところあと数日となりました。
 今年は、平成31年として始まりましたが、202年ぶりの天皇の譲位があり、5月1日に令和元年となった年です。函館市が南茅部や恵山などの町村と合併したのは平成16年(2004年)12月1日で、市立函館病院(函病)に恵山病院、南茅部病院を加えた3病院が一つの地方公営企業体として運営されることになってから満15年を迎えた年でもあります。
 さて、ヒポクラテスの時代から医療は「仁」をもって施すものとされています。「仁」とは、人に対する根源的な親愛の情、優しさなどと解釈されます。患者さんに対してはもちろんのこと、同僚をはじめ自分に関わりのある全ての人に対しても同様にということです。「仁」あるところに人が集まります。しかし、忘れたり疎かにするような者には、人は寄ってきませんし離れていきます。皆さんにはこれを肝に銘じておいていただきたいのです。
 函病では、昨年度から入院患者さんが増え、その結果、2014年度以降4年間、多額の収支不足(赤字)に苦しんできた函病が、2018年度は前年度に比べ、収入が5億円増え、支出が5億円減少し、10億円ほどの改善となりました。ただ、これには、職員の皆さんの賞与カットによる2億5千万円ほどの下支えがあってのことでした。
 令和となった今年はさらに患者さんが増えています。そして病院を挙げて業務の見直しや改善に取り組んでいます。今年度2019年度は賞与カットをすることなく、11月までの経営状況はほぼ昨年同様です。すなわち、皆さんの働きで昨年度より経営は更に改善しています。  
 一方、恵山病院、南茅部病院は地域の人口減少が大きく、苦しい経営状況が続いています。同じ函館市内とはいえ、3つの病院はそれぞれが地理的に離れており、これまでは協力のあり方が難しい状況にありました。政府や厚生労働省は公立・公的病院の再編、統合を求めています。それに単に従うわけではありませんが、3病院の役割を明確化して、どうあるべきか検討する時期に入っています。
 重要なことは、医療は水や電気などと同様に地域で人々が生活するためになくてはならないものだということです。地域で必要とする医療を不足することなく安定して供給しなければなりません。それは、3病院だけでなく、他の公的病院や民間病院を含めた医療機関との連携の上に考えて行かなければなりません。 
 来年2020年には、2度目の東京オリンピック、そしてパラリンピックが開催されますが、函病は創立160周年、南茅部病院は60周年、恵山病院は59周年を迎えます。3病院とも長い間、「仁」をもって地域の医療を守り、住民の健康福祉に貢献してきたのだと思います。これまで診療やケアにあたってこられた多くの職員の皆さんに御礼申し上げます。
 そして、現在も奮闘している医療者、それを支えている医療補助者、事務の方達に感謝申し上げますとともに、皆さんにとって新しい年が素晴らしい年になりますよう祈っております。
 これからも病院局は、皆さんと一緒に考え、方向性を確認し、共に歩んで参ります。  
 最後に、他の職場などでは「良いお年を!」と言うところですが、年末年始も24時間、患者の命を守る職員の皆さん、病院を守る皆さん、それぞれ、しっかりお願いします。そして、元気に2020年を迎えましょう!
函館市病院局長 氏家良人
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