平成30年度の報告と令和元年の方向性 | 2019年7月8日 |
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この5月1日から年号が令和となりました。平和で皆さんが安心して過ごすことができる時代であることを祈っております。私も、函館に赴任して1年3ヶ月ほどが過ぎ、函館の町並み、食べ物、そして人々に愛着を感じるようになって参りました。
さて、過去4年間にわたり毎年10億円ほどの赤字決算となっていた市立函館病院ですが、平成30年度は5年ぶりの黒字決算となりました。市立函館恵山病院、市立函館南茅部病院もあわせ8千万円ほどですが黒字でした。この数字は職員に最大30%の賞与カット(おおよそ2億7千万円) という協力をしてもらった上に達成された結果であり、それほど褒められる数字ではないかもしれません。しかし、前年度から見ると11億円ほどの改善があったことは、紛れもなく職員一同が努力した結果であり、私はこれを達成した職員を高く評価し誇りに思っております。 一年間で何がどう変わったのか、どう変えたのかということを、少しまとめておきたいと思います。 収支を良くするには、単純ですが、①収入を増やすこと、②支出を減らすこと、この二つにつきます。これらが両方ともできれば、最も良いわけです。しかし、昨年度の予算作成時点では収支改善に向け①の収入増がそれほど期待できないと判断し、②の支出減で赤字の圧縮を図ることを考えたわけです。賞与をカットするということは、身を切って乗り切ろうとする最後の手段ですが、私が赴任前の決定であり、最初、職員にどのような影響を与えるのか非常に不安でした。結果的には、職員一人ひとりが熟慮してくれ、そして病院の経営状況を自分のものとして考えるという効果をもたらしました。その結果、これまで取り組んではいたけれどなかなか進まなかった経費削減が計画を上回って進む結果となりました。 また、最終的には①の収入の増加に関しても計画を上回りました。収入は、患者が増えること、かつ/または、個々の患者の治療単価があがることにより増加します。 今回収入が増えたこと、これにはいろいろな要因がありますが、北海道で14番目の地域医療支援病院となったこと、厚労省による救命救急センターの評価が東北・北海道でトップであったことやTAVIを100例以上実施しているなど高度な医療が認められてきたこと、紹介患者の受け入れのための他医療機関との連携を改善していったこと、患者さんの声にひとつひとつ真摯に対応していったこと、院内の医療者の連携を進めたこと、入院患者の希望も聞きながら退院日を調節したこと、職員の業務改善、効率化を図ってきたこと等が挙げられます。今回のことはこうした要因の複合的な影響によるところが大きいものと思います。 令和に入り、病院2階に大きなスペースを占めていた医局(医師専用の執務室)等を5月の連休を利用して、少し離れた使用していないスペースへ移動しました。医局の空いた所に、6月から患者サポートセンターをスタートし、入院から退院、そして退院後にかけてのスムーズな流れを作り、患者にとっても医療者にとっても優しいシステムとなるように改善を図っています。 今後も、医局移動に伴って出来たスペースを効率性、収益性、そして、患者と医療者のアメニティーの向上を考慮して改変していくことを計画しています。 また、院内のスペースを利用して医療者の臨床教育のためのメディカルシミュレーションセンターを開設しました。当面は院内の職員を対象としますが,将来的には、徐々に、地域に開放していく予定にしており、地域の医療者が集える場になっていくことを期待しております。 今後とも、市立函館病院、市立函館恵山病院、市立函館南茅部病院、市立函館病院高等看護学院の改革、改善に向けて努力していきたいと思います。皆様のご理解ご協力、そしてご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。 |
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函館市病院局長 氏家良人 |
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