平成27年度 第3回
函館市病院事業経営改革評価委員会議事概要
■日時:平成27年11月17日(火)17:30~20:09
■場所:市立函館病院 2階講堂
■出席者:岩田委員長,鎌田委員,伊藤委員,熊谷委員
吉川委員,木村委員,泉山委員,加藤委員,藤田委員
■事務局:秋元次長,本間庶務課長,田中経理課長,野呂医事課長,
大島医療連携課長,船木医療情報企画課長,福井恵山病院事務長,
佐藤南茅部病院事務長
平成27年度 第3回
函館市病院事業経営改革評価委員会議事概要
■日時:平成27年11月17日(火) 17:30~20:09
■場所:市立函館病院 2階講堂
■出席者:岩田委員長,鎌田委員,伊藤委員,熊谷委員
吉川委員,木村委員,泉山委員,加藤委員,藤田委員
■事務局:秋元次長,本間庶務課長,田中経理課長,野呂医事課長,
大島医療連携課長,船木医療情報企画課長,福井恵山病院事務長,
佐藤南茅部病院事務長
1.開 会
□秋元次長
ただいまより平成27年度第3回函館市病院事業経営改革評価委員会を開催いたします。
本日,東福委員が公務により欠席となっております。
それでは,議事に入らせていただきます。岩田委員長,議事の進行よろしくお願いい
たします。
2,議 事
■岩田委員長
こんばんは。私が火曜日にこだわり開催時間が遅くなって申し訳ありません。今日の
議題は3つ用意されていますので,できるだけ簡潔によろしくお願いいたします。それで
は議題の1,函館市病院事業の事業実績(9月末)について,事務局から説明をお願いい
たします。
□資料に基づいて田中経理課長説明
・平成27年度函館市病院事業の事業実績(9月末)
■岩田委員長
数字の簡単な説明がありましたが,委員の方から質問いかがでしょうか。
数字そのものは読めるのですが,その意味,何故そうなったかを含めて,当事者の方か
ら順次ご説明いただいた後で,質疑に移りたいと思います。木村委員からお願いします。
■資料に基づいて木村委員説明
■岩田委員長
ありがとうございます。引き続き,泉山委員お願いします。
■泉山委員
恵山病院の医業収入の落ち込みの原因は,入院患者数の減少です。平成26年度の47.9人
から,今年の上半期は43.6人と4.3人減少しています。新規入院を見てみますと,昨年上半
期が68人,今年が61人と7人の減少でした。恵山病院は医療療養型の病床ですので,平均在
院日数は133.2日と長くなっています。この新規入院の減少が平均入院患者数の減少,医業
収入の減少に繋がっているということになります。
そこで,新規入院元を調べてみました。自宅から,近隣の老人ホーム,函病を除く他の
医療機関からの入院はほぼ同じで,減少しておりませんでした。函病からの紹介は,平成
25年度が年間で36人,平成26年度が年間で26人でした。今年の上半期は4人でした。函病か
らの紹介患者は,単価の高い医療区分2ないし3の方がほとんどです。入院透析の患者さん
を見てみますと,25年度は年間で23人の紹介がありました。26年度は16人の紹介でした。
今年は半年間で2人です。このように恵山病院の入院患者の減少は,函病からの紹介患者の
減少によるものだということがわかりました。
現在もできるだけ連絡を取るようにしていますが,これからはますます連絡を密にして,
入院患者さんを紹介していただけるように努めたいと考えています。
■岩田委員長
ありがとうございます。次は加藤委員お願いします。
■加藤委員
南茅部病院は昨年と比べて,一般の入院患者数が約3人ほど減っております。うちの場合,
入院のメインは感染症ですが,肺炎,特に高齢者の場合の誤嚥性肺炎が今年は多くなく,
入院患者数があまりとれていません。今日現在では一般が24人で,これから寒くなると肺
炎等の感染症が多くなると思います。あとは検査入院,便潜血反応が陽性で大腸検査とい
うような入院患者さんは去年と比べてちょっと少なくて,こういうことも含めて入院患者
数が少ないです。
うちは10:1入院基本料なので,平均在院日数は21日でいいんですけれども,今年は17.9
日で,なるべく早く帰そうということで,在院日数が減った分,単価は去年よりも高くな
っています。
外来の方は全体に人口減があり,あとは患者さんも受診が大変ということで,90日とか
長期処方を希望する方が増えております。その分も外来患者数が減少している理由だと思
います。
今後も10:1をキープするということで,平均在院日数を見ながら,在院日数を減らすと
病床利用率も下がってしまうので,その辺も今後検討していきたいと思います。
■岩田委員長
ありがとうございました。説明をいただきましたので,ここからコメントなり質問をお
受けしたいと思います。
■熊谷委員
函館病院の関係で,大変ご努力されていることは評価しなければならないと思います。
今後のコスト削減について,後発医薬品を採用していくというお話がありましたが,現在
後発医薬品をどのくらい使っているのか,それをどの辺まで増やしていくのか教えてくだ
さい。
■木村委員
国の目標として80%、当面まず60%までという指標が有ります。現在69.8%です。まあ
まあの数字ですが、80%までもっていくのは現状すぐには厳しい。供給が安定しない、先
発品にある適応が後発品にない、などの理由です。今年の初めが63~64だったのが69まで
来ていますから,来年の半ばには70を超えると思います。
■熊谷委員
私勉強不足で教えていただきたいのですが,後発品を使う際に,患者さん本人や家族の
同意が必要になるのか,医師の判断でできるのか,その辺を教えてください。
■木村委員
医師のというより病院の判断です。当院で先発と後発両方採用している薬は数品目しか
ありません。併用は間違いの元なので,原則的にはどちらかしかありません。病院がどの
後発品を採用するかを決めるときには,医師の意見を聞いています。金額的には差がある
薬でも、切り替えには問題があると判断して先発のままの薬もいくつかありあます。
あともうひとつ,先発の処方箋をもらって,院外薬局で後発に替えることは,患者さん
が希望すれば替えられます。
■熊谷委員
わかりました。
■岩田委員長
基本的には患者の同意は不要だということですね。
■木村委員
国が認めている薬ですから。
■岩田委員長
ほかには何か。それでは私から。
函病で前回に引き続き非常に分析されて説明をいただいているんですけれども,1つ1つ
については理解できますが,例えば目指すべき方向性について,思いはあるがHow Toが見
えない。前回もご指摘させていただきましたが。
■木村委員
コスト削減のHow Toがみえないという点については認めざるをえない点もあるが、単価
を上げることに関して、加算を積み上げるための対応は充分に行っている。医師の資格取
得にも取り組んでいるし、たとえばリハビリのセラピストを増やして,今までは週に5日
しかやっていなかったものが,もう2~3年で,毎日土日祭日フルタイムでリハビリができ
る体制を目指している。人件費以上の加算がとれて、なおかつ患者さんが早く治れば、早
く退院できる。加算のとれるところに対して人手を投下して,投下した人手のコスト以上
の収益をあげられるところがまだいくつもある。その点のHow Toははっきりしています。
■岩田委員長
この委員会は,基本的には赤字にならないようにしていただくことをお願いするもので,
今色々おやりになっていますが,いつまでにバランスが保てるのか,そして,累積がいつ
までに解消できるかという目標をどう立てて,それに対して何をどういうふうにやるかと
いう意味でのHow Toですね。
■木村委員
支出をどうコントロールするかという問題だと考えています。入りに関してはあまり心
配していません。患者が急激に減ればどうしようもないが,それはまた別の話であって,
収入はある程度確保できると考えています。
支出は,一つはマンパワーの問題で,稼げるところにマンパワーを投下しているかとい
う問題です。医療職も事務方も両方です。
もう一つは,例えば今回価格交渉を委託しましたが,価格交渉を民間に委託したら1年
間で6,000万削減できるということになった。今年度は7月からになったので、4分の3の
4,500万ということになりました。民間に委託して価格が下がるということは,もっと下
げて,その差額を委託したところが儲けているに決まっているわけです。我々病院がそう
いう力をちゃんと持っていれば,委託先にお金を持っていかれる必要はないわけです。
以前、伊藤委員にも自治体病院は高い買い物をしていると指摘されましたが,一つ一つが
本当にしっかり適切なコストで買えているのかということも含めて,支出をもっとコント
ロールしたい。今までより少し割引率が増えたからいいとか,そういうふうにやっている
ようではなかなか安定した経営が難しい。
■岩田委員長
具体的に言うと,何年にはプライマリーバランスをとり,そして,何年後には(累積赤
字を解消する)という数値目標はありますか。
■鎌田委員
委員長,今,何年後くらいに黒ということを仰いましたが,自治体病院ですから,一般
会計の繰入金もあると思いますが。
■岩田委員長
一般会計からの繰入金が大体20億くらいですか。これは毎年交付税の範囲で出ていると
思います。それはあることを前提で,それでも赤字のところをいうと思います。
■木村委員
今年の11月は10月よりもちょっと下がっていますが,4~9月に比べればもちろん良い。
このペースがもし維持できればこれはかなりな黒字です。このペースを1年間続けること
は難しいかもしれませんが,来年度は,診療報酬改定で大幅にマイナスにされるとちょっ
と苦しいかもしれませんが,今の診療報酬であれば,来年度は当然ゼロ以上が目標になり
ます。今の数字であれば,全然不可能ではありません。
根本的にやるには少し時間がかかるかもしれません。支出をコントロールするような方
法が基本だと思います。この前お話ししたベンチマークは,下半期にならないと結果が出
ません。その結果を見て来年もう一度手を入れられればゼロはできると思っています。
■岩田委員長
そうすると,入る方はともかくとして出す方ということですと,最後のページの3つ目
の米印,コスト削減に向けた取り組みを根本的に見直すということも,来年度までにどう
おやりになるんですか。
■木村委員
そこが一番難しいのですが,価格交渉の委託は3年間の2年目に入ります。委託先は儲け
ているはずです。そこを一遍に取り返すところまでいけるかどうかは難しいと思いますが,
最終的にはそうすべきだということまで考える必要がある。それが出来ると思ったらもう
一度自前に切り替えるということも含めて,買い物屋さんのプロをつくるということを目
指したい。
■岩田委員長
購入のための外部委託を3年と仰ってましたけども,そこの考え方をもう一度確認した
いのは,現在は,独自で買うのが上手くいかないから委託したという理解をしていますね。
このまま3年経ってまた更新ということであれば,ずっと払いっぱなしなわけです。これ
だけの大きな物を買う自治体病院が,自分の裁量で安く買えないということが全然理解で
きません。この3年間は,とりあえず緊急避難的に外部の力を頼るけども,その間に購買
のプロフェッショナルを育てて,そういう組織を持って,3年後からは委託費用までも含
めた上で安くするという体制を作っていただかないと,これだけの大きな金額の購買をや
る組織体としては,非常に理解できないところがあるんです。安く買うためのお金がある
なら,人と時間をかけて安く買える人材と組織を育成し,内部的にどんどん儲けるのが普
通の組織体の考え方です。
ですからお願いしたいのは,3年間契約があるとしたら,その3年間に,そういう組織と
人材を育成して,例えば,トヨタあたりは何兆円という売上を上げながら,数円とかコン
マ何円の購買のプロフェッショナルを置いているわけです。そういうところからヘッドハ
ンティングしても良いと思います。車の部品だろうが薬だろうが安く買えばいいというこ
とに変わりないわけです。そういうところをやっていただかないと,良かったねとはどう
しても言えません。
■鎌田委員
今の購買の効率化の委託についての岩田先生の見解に全く賛成します。外部の力を借り
るのはいいですけども,そのための人材を育成しよう,仕組みを作っていこうというのは
非常に良いことだと思います。
一方で,今の契約がどういう契約なのかをこの委員会に開示していただくのも非常に有
益かなと思います。あとでペーパーを委員に配って見てもらってもいいでしょう。
■岩田委員長
今言えるのなら言ってもらっても良い。
■鎌田委員
何%削減に成功したら,あるいはいくら削減に成功したら歩合でいくら払う,というよ
うな契約条項はあるんですか。
□田中経理課長
今までは病院局が市内の地元卸と価格交渉をして,単価契約をして,その契約に基づい
て必要数量を購入していましたが,今年の7月から一括調達業者ということで,1社に地元
卸との価格交渉を委託しました。その受託業者が地元卸と価格交渉をし,病院より安く仕
入れて,受託業者の利益分を加算した形で病院が買っています。ですから委託料としては
お支払いしていません。
■鎌田委員
一括調達業者ですが,何%安くなったから委託料をいくら増やしますとか減らしますと
か,そういう状況はどうですかという質問ですが。
□藤田管理部長
元々SPDの業者が入っていまして,そこの業者に委託料は0円で委託しています。委
託料としてはお支払いしていない形です。
■岩田委員長
ただ業者は儲けてますよね。
■木村委員
簡単に言えば,今まで病院が千円で買っていた物を,業者は600円で買って、病院に700
円で売る。病院としては300円安くなっているが,業者は100円儲けている。本来であれば,
600円までいかなくても,自前で630円で買えれば委託するよりも遥かにいいわけです。そ
こにもちろん持っていきたいが、なかなか千円から下がらなかった。民間の委託がどこま
で下げられるのかをみて,最終的には自前でやれる力をつけていくというふうに考えてい
ます。
■岩田委員長
私が言いたかったのは,安くなったとしたり顔で言う話ではないということです。要す
るに,業者が安く買えるのであれば,それと同じことが出来るはずですよね。そこを委託
して,千円の物を600円で買ってもらって700円で買い取ったから300円の儲けだっていう,
その論理がどうしても理解できません。
■伊藤委員
岩田先生の仰っていることはよく分かりますが,ただ僕はちょっと違って,病院側が,
例えば何かを1億から8千万に減らすということはすごい成果だと思います。本当にもの
凄く複雑です。何の商品でも北海道価格というものがあるのはご存じだと思うんですが,
昔,酸素は本州に比べて10倍高かったんですよ。我々も色々な値段を調べて叩こうとした
んですが,その壁は厚くて,とても太刀打ち出来なかったんです。問題は,全国の最低価
格がいくらか,一般的に安いと言われるのはいくらか,通常いくらで買っているのか,
3通りから5通りの値段を複雑に調べあげて,実情に沿ってより安く買い物をするっていう
のは,そういう人間を育てるっていうのは,僕は何年かかるんだろうと思います。うちは
正直な話,外部業者に委託しています。それで,我々には予想もつかない,とてつもない
安い値段で引っ張ってきています。だから,自分のところでやれる限界と頼む限界とどっ
ちが良いかっていうのは,先生の仰ることは分かりますが,自治体のやり方としてどこま
で出来るのかというのは。
■岩田委員長
世界が違うと言えばそれまでかもしれませんが,車の世界ではコンマ何円のものを,我
々デザイナーが毎日車を分解しながらやっていくわけです。それを購買はさらに安く買っ
てくるわけです。
非常に私が焦っているのは,一度赤字が黒字体制になって,また赤字体制になって,ず
るずるいきそうなわけですね。そういう状況の中でこれしかないと言ってほしくないわけ
です。明らかにまだやることがある。全てをゼロベースで見直すということをやってもら
わなきゃいけない。そうすると,3年間はしょうがないと思いますが,その間何もせず,
プロパーも雇わない,自前で買う努力もしない,それでもって,それが一番良かったとい
うのは結論としておかしいんじゃないかと。やっぱり,全ての状態をゼロベースでチェッ
クしながら,やっぱり今のように外部に頼むのが良いとか,北海道価格とか,函館価格と
か,そこまで含めてやっていかないと,現に今赤字が見えているときに,これでいいんだ
って言い方を簡単にしていることに対して,ストンと落ちない。せっかく良いところまで
行ったのに,っていうことなんですよ。
伊藤委員がフォローされたことについて積極的に反対するつもりはないですけれども,
わかりましたとは言えません。
■鎌田委員
仰ることはよく分かります。天下のトヨタであればそのようにやるでしょう。ただ我々
が今何とかしようと思っているのは自治体病院です。国だとか地方公共団体はそもそも生
存からして競争の環境下にないですから。そこで生存競争があるかのように行動しろとい
うのはなかなか大変なことだと思います。伊藤委員先生が仰ったように,競争環境下にあ
る病院でもなかなか実現困難だと。ですから,どうすればいいかというと,少しでも競争
環境という要素を取り入れるんです。今回で言えば業者の組み入れっていうのがそうだと
思います。
先ほど私がちらっと申し上げたインセンティブありますかという話ですが,次は競争的
要素を業者選定に組み入れるとかで導入したうえで,業者にインセンティブを与える。そ
ういったものを入れる契約にしてみるといいと思います。
■伊藤委員
先ほど院長がそういうことができる職員を養成して,こちらでやれると良いに決まって
いる,そういう方向を目指したいという話をしていましたよね。そういう人間を作るとい
う話は簡単ですが,私は並大抵のことじゃないと思います。問題は,実際に予測するのは
困難かもしれませんが,1社噛ませる形だと前よりかなり安いんだけど,いくら削減した
らいくらのインセンティブを払うのか,どっちが得かっていうのを考えなければいけない
ことです。
■木村委員
例えば,今回これで4,500万程度引きますとなりましたが、本当に4,500万が適当かとい
うことを判断できる人間が当院にはいません。ですから,4,500万引いてもらうことが,
現実的に妥当であると分かる人間がまずいなくちゃダメだと思っています。
■岩田委員長
先ほどから何度も言うのは,これで頼んだからいいよというムードは非常に困ると。そ
れとチェックするプロパーが全然いない,そういう知識がない状態で頼んでも,要するに
釈迦の手の上で遊ばれても分からないという話と同じなわけです。
それからこの病院は先ほども言いましたように,国からの交付金が毎年20数億入ってい
るわけです。税金なんですよ。ですからトヨタは一般だから出来るけど公はって言われて
も,20億入ってる組織体だからそれに対する責任もあるわけです。
■鎌田委員
金が入っているということよりも,例えば地域住民というのは,函館に住むのが嫌だか
ら青森に住もうということはそうそう出来ないわけです。そう言った意味で競争環境下に
ない,パブリックセクターに共通する問題点ということです。
今,なかなか内部でも4,500万が妥当なのかどうか分からない,あるいは分かる人を育
てるべきかという議論がありましたが,もう一つ手立てがあると思うんです。4,500万と
いうのを他の人が言ってくるかどうかです。僕は5,000万でやります,4,500万でやります
と。例えば図書館では,指定管理を受ける業者は全国で大きいのが1社しかないですが,
今の薬の委託では,業者さんは何社かあるんですか。
■木村委員
従来我々のところに入っている業者で,そこは日本の結構たくさんの病院から受けてい
ます。いくつかの公的や民間の院長からも話を聞きましたが,成功していると考えている
病院が多い。どれだけの会社があるのか分かりませんが,ここの分だけ委託しているなら
会社を変えるのは簡単です。しかし,当院に入っている材料の全体のコントロールをして
いる会社ですから,その部分を変えるためにそれ以外の部分も競争で変えさせるというこ
と自体が非常に大変な作業になるので,そういう意味での競争は難しいのかなという気が
します。
■鎌田委員
コントロールする委託先ですが,診療科で分けるとか入院と外来で分けるとか,いくつ
かに分けて委託するということは出来ないですか。
■木村委員
一括だから安くなるという面もあります。現実的には2つ入れるのは難しい。
■岩田委員長
わかりました。私が思わず熱くなったんですけども,それくらい気にしているというの
を理解していただきたいです。ですから,3年間猶予があると思って頑張って考えていた
だいて,その間に納得できるような運用ができればそれで良いと思います。
ただ何度も言いますけども,セールス活動できる業態ではありませんので,入る方は運
任せ,だから出す方はよっぽど頑張らないと黒字になりません。そういうことを考えると,
まずゼロベースで考えていただくことを常にやっていただければというのが私の意見です。
■鎌田委員
先ほど委員長から20億もらっているんだから赤字はいかんよという話がありましたが,
自治体病院っていうのは赤字になることがあるわけで,逆に20億もらって黒字になるなら
民間事業者に20億渡すから黒字にしてくれでもいいわけです。そこがなかなかそうはいか
ないというのが自治体病院の特質だと思うし,私は存在意義だと思っています。だから,
予算が赤字だろうが20億もらっていようがまだ足りないっていうのは十分ある話です。た
だし,そこにも自ずと規律がなければいけないと思います。そういったものをきちんと立
てることが,逆に言うとこういう委員会の役割だと思います。規律と言っても今すぐ何か
決められるわけではありませんが,例えば,前年より向上しているとか,あるいはベンチ
マーク,同業他社との比較です。それぞれの数値の中で自分たちが向上すべきものをはっ
きり決めて,それが向上しているという実績とかですね。赤字でもこれなら許容範囲だと
か,これを改善してきたとか,姿勢がより大事だと思います。
■岩田委員長
ありがとうございます。
このままでいくとちょっと時間が長引きそうなので,次の選ばれる病院というところの
ページの2番目,かかりやすい病院というところに入っていきます。これは気になる文章
ですが,どう理解されているんでしょうか。
■木村委員
ここは確かに難しいところです。今国が進めているのは,住民はかかりつけ医を持って,
何かあったときにはそのかかりつけ医にかかって,そのかかりつけ医の先生がこれは病院
に行った方がいいと判断した場合には,紹介状をもって受診するという方式です。紹介状
なしで大きな病院を受診した場合には選定療養費がかかります。当院は千円ぐらいしか取
っていませんが,大病院にはかかりづらくしているわけです。それはどうしてかというと,
病院の役割と開業の先生の役割は違うから,役割分担をして,その役割でない人に診ても
らう場合は高くなりますという仕組みです。
ところが,患者さんの側からみれば,病院をかかりつけ医にするのは非常に塩梅のいい
ことです。国にお金が無くなったからそれがダメだと言っているわけで,例えば我々みた
いな病院に来て,血圧の薬,胃潰瘍の薬,腰痛の薬をもらって帰るのは,患者さんからみ
ればすごく都合が良い。病院からみれば経営的には最悪です。
国にお金がないから仕方がないと言っている中で,何かあったときに真っ直ぐ市立函館
病院を受診してくださいというメッセージは,よっぽどの救急以外は出せません。そうす
ると,何かあったときはかかりつけ医に行って下さい,かかりつけ医の先生が,たくさん
の病院の中から市立函館病院に行ったら良いですね,と言っていただける病院とは何かと
いう問題だと考えます。よその病院だったら治らないけど当院だったら治るとか,それな
ら誰だって当院に来ます。そんな領域は日本中ほとんどないです。大体ほぼ同じような結
果が出るだろうと想定される領域に関しては,紹介状を書くときにA病院って書くのか,
B病院って書くのか,市立函館病院って書いていただけるのかということが,重要な要素
にこれからなってくるだろうと考えます。
我々の病院がかかりづらい大きな理由,それは外来が混みすぎているということです。
外来が多すぎるから,新しい患者さんがどんどん入ってくると終わらなくてパンクしてし
まう。ですから,新しい病気の患者さんの連絡が来ても,来週ですというようなことにな
っています。患者さんの側からみれば,今具合悪くて病院に行きたいのに函病は来週だと,
A病院B病院なら明日明後日診てもらえます。現時点での,当院は,外来の患者数があま
りにも多いために,当院の仕事のしやすい紹介の受け方をしています。これ以上来るとパ
ンクするという理由で。
患者さんにとって良い紹介の受け方をしたいが、現状のままで、無条件に受け付ければ,
待ち時間が闇雲に長くなるだけで,いつまで待っても診療してもらえないというクレーム
が山のようにくることも分かっています。ですから,かかりやすい病院にするためには,
外来の患者さんをある程度制限しながら,紹介を受けやすくするということで,他施設か
らの紹介というところを一番濃く太く書いています。これからはたぶん,患者さんを増や
す努力の9割くらいはここかなと思っています。
■鎌田委員
今,患者さんにとって受けやすいと仰いましたが,その紹介してくれる他施設,他病院
にとって受けやすいと言い換えてもいいんですか。
■木村委員
そうですね。国の仕組みから言えば,患者さんが具合が悪いといってまっすぐ当院を受
診しないでください、という前提で考えています。
■鎌田委員
木村委員から言われる前に自白しようと思っていたんですが,私10年くらい前に心筋梗
塞をやって,それからこちらにかかっています。月2回高血圧の薬をもらっているだけで
すが,1回もどうぞ他院に行って下さいと言われたことがないんですよ。言われても多少
悲しい気はしますが,いいんじゃないかなとも思うんですけどいかがですか。もちろんこ
んな手は最後の手でしょうけどね。
■木村委員
そこが本当に一番難しいところで,本当にやりたいことは,ご自宅の近くの血圧の薬を
出してくれる先生に通ってください、何か困ったことがあった時にはその先生にすぐ紹介
していただく,プラス半年に1回くらいは上手くいっているかどうか顔を見せてください,
その時点で地元の先生とコンタクトを取りながら、というのが一つのモデルと思います。
また、同じ高血圧でも心筋梗塞をやった人の高血圧と,全く元気でたまたま健康診断で
高血圧ですっていうのとは違います。かかりつけの先生に紹介はするけれども,我々の病
院と全く縁が切れたわけではありませんよ,というメッセージを持って紹介できるか,と
いうことがこれからやらなきゃいけないと思っています。
■岩田委員長
はい,まさにそのとおりで,私にもそういう経験があります。ですから,かかりやすい
病院とは,紹介しやすい病院と同時に,逆にちゃんとケアを持ってやるという体制づくり
ですよね。それは頑張ってもらえればと思います。
■鎌田委員
今のような,場合によってはご近所のお医者さんのところに行って下さいという話は,
事務局が市を代表しているわけじゃないと思いますが,事務局としてはいかがなんですか。
それはまずいとかってありますか。
□藤田管理部長
そういうことは一切ございません。
■岩田委員長
はい,わかりました。ちょっと時間が押してきましたので,2番目のコンサルタント会
社のベンチマークデータについてということで,説明お願いします。
□資料に基づいて田中経理課長説明
■岩田委員長
このベンチマークについて,何項目提示を受けて,何項目が函病に適合して,それをど
うやられているかということについてお聞きしたいです。
■木村委員
今私がもらっているのは上位100コードです。それぞれについて,今示したようなもの
が出てきているわけで,それを私が見て,それぞれの診療科のトップに伝えるべきところ
は伝えています。良いところも良いねって伝えた方がいいのかもしれませんが,今はここ
がというのを伝えていて,それでどの程度改善するか。ベスト100でもらったのは今年の
4月からの分で,その前はサンプルで少ししかもらってなかったので,比較できるものが
そんなにありません。ですから4~9月分を下半期の分と比較して,改善されているのか,
されなかったのかというところを見るというふうに考えています。今は情報を提示して、
自分たちで検討してくださいと言っている段階です。
■岩田委員長
もう一つ数字の見方ですけれども,全病院平均3.0日,函病3.9日。これは3.0日がベス
トなんですか。それとも,平均値なんですか,それとも3.9日がベストなんですか。ここ
がよく分からないのですが。
■木村委員
これは,ただ全病院の平均をとるとこうなりますという数字です。ですから,本当にベ
ストかベストじゃないかは分かりません。ただし,国に誘導されてこういう数字になって
いることは事実です。例えば,当院も減らそうと思いますが,他のところも減らそうとし
ますから、平均はどんどん下がっていく。DPCの点数は,その前の2年間のうちの1年,
そこで使った額で点数が決まります。ですから,これに皆がのって,どんどん節約すると,
次のときにはこのコードはどんどん安くなる。だから頑張ってそんなに下げなければ、点
数が維持されますが,皆が絞るから,診療報酬改定なんて言わなくても,実質はどんどん
値下げになります。DPCを採用している病院は節約をしなければやっていけないから,
節約する。そうするとかかるお金が減るから,次の診療報酬改定のときにはもっと安くさ
れる。国から見れば,こんなに良い仕組みはないという仕組みです。
■岩田委員長
医療的な判断ではないわけですね。要するに。
■木村医院
ただ,これ以上やったら患者さんが危ないだろうということは誰もやりませんから。
大腸の手術というのは,胃だったら胃液ですけど,大腸は便ですから,汚染された手術
と考えて,昔だと抗生剤を1週間くらい使うのが当たり前でした。それをベンチマークが
なくても,我々も4日程度まで下げてきたのは,少しずつ減らせるかなと思って減らして
4点何日まで来たけども,世間の人が3日まで減らしても大丈夫だって言うなら,とりあえ
ずは減らすけども,ただ,そういう感染に対して危ない人もいますから,そういうときは
少し長めに使うということで,そういう目安だと思うんです。
■岩田委員長
先ほど当病院の上位100ということで,各専門医の方に示されていると思いますが,使
い方,あるいは目標はどう指示されているんですか。
■木村委員
まず100について,100すべてを伝えてはいません。これは,今は伝えなくても良いだろ
うと思っているのもありますので。
もう一つは,例えば注射は標準ですとか,お薬は少し多いですとか,検査は良いですと
かっていう項目で出てくるので,こういう結果になっていますよということをお伝えしま
すけれども,それでそこを何かに変えてくださいとか,これを制限してくださいという言
い方はしていません。これを見て,どこが自分たちでコントロールできるのか,一番良い
方法を考えてくださいということを伝えています。それで,どの程度の変化があるのかと
いうところで,あまり強制的にやっても実際それほど上手くいかないと考えています。
■岩田委員長
一般的な情報として,あなたがおやりになっているのはこの辺ですよ,ということを示
すことが狙いなんですね。
■木村委員
そうですね。
一つは,標準で良いと思っていますが,赤,下位25%は困ると。上位25%に入らなくて
も,一番大事なのは診療の成績ですから,診療の成績がしっかり担保されて,真ん中辺に
入っているのであれば,それは一回良しとしようと考えている。だけど,全国的に見ても
断トツで使いすぎですよ,みたいなところがありますから,それはやっぱりまずいという
ふうに考えています。
■岩田委員長
というような使い方だそうです。これに関して何かご質問ありませんか。
■伊藤委員
仰るとおりでいいんじゃないでしょうか。なかなかこういうものって難しいです。例え
ば手術の簡単なやつだと1日ですが,それが正しいかどうかというのは,その人じゃない
と分からないんですよね。皆おっかなびっくりやっているのも事実なんですが,こういう
のを見ると4日でいいんだと,1週間から4日に切替えますよね。さらに3日と追い求めてい
いのかどうかと。ある程度の指導の目安として,今の院長の平均でいいという考えは,私
は大賛成です。
■岩田委員長
ひょっとしたら考えてもらうチャンスになったくらいの効果であると。わかりました。
この件に関してはこのくらいで良いですか。
先ほどちょっと聞き忘れましたが,恵山病院で函病からの紹介がどんどん減ってきてい
るという話がありました。これはどういう理由か思い当たることは。恵山病院から考えて
どうするのが一番いいのでしょうか。
■泉山委員
全く分からないです。半年間で新規の入院の方が7人ですけど,それ以上に函病からの
患者さんが減っているので,他からは少しは入っているという計算になります。
■伊藤委員
実態は分かりませんが,函館市内の療養病院はものすごく患者さんを欲しがっている。
函病さんから良い患者さんが輩出されるので皆欲しがっている,そのために恵山に行く人
がいないということではないですか。
■岩田委員長
先ほど気になったのは,論理的数字では患者数は減らないけども,そういう偏在が起こ
ったりとか,競争が逆に激しくなったりがあるんじゃないかなと思って聞いてたんですが。
■木村委員
何をもってオーバーベッドというかは難しいですが,この地域で、少なくとも500から
1,000はオーバーなのかなと。国が言うように1,500オーバーとは思いませんが,若干オー
バーであることは間違いない。それはもう取り合いになりますよ。それはやっている以上
は仕方がないので。
伊藤委員が言われた件については,うちの連携室の責任者がいますから。
□大島医療連携課長
連携室の方から説明させていただきます。
恵山は療養型ですが,療養型としては市内にも多くの病院があります。特に恵山の重要
な部分としましては,療養での長期入院が可能で,人工透析が併設されています。それか
ら人工呼吸器が使えるという部分です。人工透析が出来る入院施設というのは,恵山か,
市内以外では新都市砂原病院さん,それから道南ロイヤルさんと,少ない形になります。
そういう患者さんについては,恵山をご紹介して,行っていただくことが多くあります。
そういう中で,病態の変化までは私の方では統計的に取っていませんが,人工呼吸器が必
要な患者さん,人工透析が必要な患者さんが若干減ってきているのかなと。
通常の療養では市内の病院さんにも取っていただいており,そこら辺で患者さんにお話
しても,距離的な問題などでなかなか恵山にOKをいただけないというようなことがある
というのも事実でございます。
■泉山委員
同じことが出来る施設と比較すると,やはり遠距離なもんですから,患者さんは別とし
て家族がどうしても嫌がるということが多くて,ただ,それにしてもだいぶ少ないなと。
■伊藤委員
市内で取らないところが多かったので,遠くても預かってくれるのでいいやということ
だったんですよ。
■泉山委員
確かに透析だけじゃないんですよね。人工呼吸器の患者さんもほとんどゼロになりまし
た。
■木村委員
今,正確な数字持っていませんが,連携室で毎月転院している件数は,この数年若干で
すが増えています。それから,転院に要する日数も大幅に短縮しています。ということは,
恵山病院以外の病院が,ものすごく取っているということになります。いくつか提示した
ときに,恵山病院でしかできない,例えば,透析だと他に行くところはありませんよ,と
いうような状況でなければ,やはり近場を選択されることが多い。
もう一つは,今の病院の方針で,維持透析自体が最盛期の半分程度になっていると思い
ます。当院泌尿器科の診療体制の問題もあって,導入とかそういうときだけはしますけれ
ども,維持透析は外でやってもらっています。維持透析の患者さんが,例えば心筋梗塞を
起こすとか,脳卒中になるとかで退院出来なくなるという頻度が,元々の維持透析の患者
さんのベースが少なくなっているので,圧倒的に減っているということだと思います。
■岩田委員長
いろいろと調整をよろしくお願いします。
明確な結論ではないのですが,議題1と2については,以上でよろしいでしょうか。時間
も押していますので,議題3の南茅部病院の将来のあり方についてです。
□田中経理課長
それでは,資料のご説明の前に,南茅部病院の検討経過などについて簡単に説明させて
いただきます。
本年1月15日に開催されました町会連合会東部地区協議会と函館市長との懇談会の席上
で,老朽化した南茅部病院をどうしようと考えているのかとの質問があり,工藤市長から,
老朽化した南茅部病院については,入院受け入れが可能な施設に建て替えるか,診療所的
なものにするかを検討する必要があるが,病院の機能自体を見直すべきだ,今後のあり方
は病院局が検討する,とのお話がありました。
その後,本年7月31日の第1回南茅部地域審議会に,病院局管理部長以下,担当職員が出
席し,南茅部病院の今後のあり方についてと題しまして,南茅部病院の現状と病院をとり
まく状況について説明させていただき,その際,10月以降改めて地域に出向き,地域の意
見をお伺いするとお話をさせていただいたところであります。
そこで10月27日第2回南茅部地域審議会に出席するとともに,今月10日には地域住民の
方々を対象とした懇談会を開催し,ご意見,ご要望等をお伺いしたところでございます。
本日の資料は10月27日の南茅部地域審議会ならびに今月10日の住民懇談会でお配りした
資料でございます。南茅部病院を含め3つの市立病院の今後のあり方については,今後策
定する新公立病院改革プランに盛り込んでいかなければならない内容であり,策定にあた
りましては,委員の皆様のご意見もお聞きしたうえで,検討してまいりたいと考えており
ます。
□資料に基づいて田中経理課長説明
■岩田委員長
ちょっと確認したいのですが,今日は内容の説明だけということでよろしいですか。最
終的には誰がどういうふうに決めるんですか。A案かB案かC案かというのは,どうやっ
て決めるというふうに理解されてるんでしょうか。
□藤田管理部長
これにつきましては,あくまでも説明のための資料ということで作らせていただいてお
りまして,色々ご意見をいただいたうえで,病院の規模ですとか内容を一定程度想定し,
将来的な負担の試算もした形をお示しして,その中でまたご判断いただきたいなというふ
うに思っておりました。南茅部の地域に医療機能とすればどういう形で残すのがいいのか,
それに伴って,介護施設との連携も出てきますので,例えば,病床を減らすのであれば,
その分を在宅でお願いするといったときに,どういうような施設が必要になるのか,そう
いうような話をしていくうえで資料として示させていただいております。
■岩田委員長
上に行けば行くほど,賛同を得やすいがやりにくいという話ですよね。今仰ったように,
将来的な地域性を考えると,函病を含めた地域全体のネットワークが上手く機能すること
を前提に,どこをやると言わないと,単体だけとりあげて,A案かB案かC案かというと
当然一番良い案が選ばれるわけですよね。逆に言うと,病院局含めて,例えばC案であれ
ば,病院グループとしてはここまでこういうふうにやるから心配ないよとか,そういうセ
ットでないとこれは理解出来ないだろうし,しかもそれをどうやって最終的に誰が決める
かという決め方も難しいところですけども,そのあたりはどのように考えていますか。
■吉川委員
とりあえずのたたき台というふうに理解していただきたい。例えば,有床診療所で救急
が出来ないって言っていますけども,やり方によっては救急もやれるような体制はとれる
わけです。先ほど藤田委員が言ったように,この地域で在宅医療というのはなかなか難し
いのかなと思いますけども,市の方の介護の規制枠みたいなものを解除していただければ,
ある程度の介護体制も作れないわけではない。そういう多方面の可能性を秘めて,地元住
民と話し合うというスタイルになると思います。
■岩田委員長
この件について新聞にも出ていまして,当然と言えば当然ですが,地元では一番良い案
の支持が多かったんですけども,これは,この時期に何の前提条件もなく3案住民の方に
示されたというのは,どういう目的があったんでしょうか。
□藤田管理部長
タイミング的に,28年度には新しい改革プランを作らなきゃならないものですから,南
茅部の病院をどうしていくかという話が連動するということです。今年度中に病院の規模
といいますか,機能としてどういう形で残すのかというのを,一定程度方針を決めたうえ
で,28年度の改革プランの中で,それをどういう形にしていくかというのを決めていかな
ければなりません。
改革プランを決めるときには,前回もそうでしたが,この委員会のご意見も十分お伺い
しながらということで,一定程度方向性を決めていただくと言いますか,我々の方で案は
示していくんですけども,それをたたき台として,ここでもたたいていただいて,28年度
中には一定の方向性を決めていかなきゃならないということだと考えております。
■岩田委員長
何かご意見ありますか。
■伊藤委員
ここで将来の方向性をたたくんですか。
■岩田委員長
それは今初耳という感じで,我々の代では経営改革ですが,次のステージをどういうふ
うに組織されるかによって我々のミッションが変わってきます。今,我々の初期のミッシ
ョンは,改革プランに対する意見の提示というだけなんですけども。
□藤田管理部長
元々この改革プランを作る前段の組織のときに,メンバーとすれば同じメンバーだった
んですが,先生方にお願いをして,改革プランに載せるべく色んな提言をいただいて,そ
れを反映させた改革プランを作っていったという経過もございますので,同じように,新
しい改革プランもそういう形をとっていきたいなと思っています。そのときにはまたご相
談させていただきます。
■鎌田委員
私がこの委員会に来させていただいている信念は,函病がなんとかなれば市の病院事業
がなんとかなる,ここが大変ならば市の病院事業が大変だという話で,別に大きいから小
さいからどうのという話ではありませんが,南茅部病院がどうあるべきかということより
も,函病がどうあるべきかが,数字的にも市の財政に対する,あるいは市民の負担に対す
る影響が非常に大きい問題なので,そういうつもりでおります。ここでダイレクトに南茅
部病院があるべきかどうするべきかと議論しろと言われても,ちょっと違和感があります。
あと,いくら小さくても公立病院である以上,あるべきかあるべきでないか,うんと縮小
すべきかそうでないかはまた別の観点があるかもわかりません。改革プランとは別に。
■木村委員
経営の話でないところまで,改革プランもここでやるんですか。
□藤田管理部長
正式にはまだ決めていません。
■木村委員
函病の院長としての発言ではなく,私,今年から北海道の自治体病院協議会の会長を担
当しています。北海道の自治体病院の多くが同様の問題を抱えていて,もっと厳しい状況
の病院もたくさんあります。今,自治体病院,市町村を超えた連携,ネットワークと言っ
ているのに,同一市の中でこんなことをして,会長の地元が一番鬼門なんじゃないですか
と言われたりします。
私は提示の仕方が悪いと思います。34床の病院ですか,19床の診療所ですか,そうでは
なく大事なことは,南茅部に今どういう医療が必要ですかという話を先にして,例えば,
夜心配だという話であれば,病院なら夜開けられる,診療所でも夜開けられるのか,どう
いう形で応援があれば夜も診られるとかを整理する。あるいは,こういうことは病院で,
こういうことは介護でということはあると思いますが、今の状況を考えればベッドゼロは
ありえない。その中で,本当にいくつくらいのベッドがあればいいのか,あるいは,今や
っていることの中でも例えば高度急性期は本当に南茅部に残さなければならないのか、失
うものもあるかもしれないけど,得るものは何なのかという議論をしないで,3つ出して
どれが良いですかという話の持っていき方は全くおかしいと私は思います。
市立函館病院の院長としてではなく,北海道の自治体病院のトップとしての意見です。
■岩田委員長
医療に関わらず,日本はどんどん人口減っていますけども,不幸なことに,あるところ
から消滅するんじゃなくて,ずっと等しく薄くなっていくんですよ。そうすると,函館み
たいに非常に広いところだと網の目のごとく人が住んでいる,薄いところが出てくるわけ
です。そうすると,医療について言ったら,一つの病院,一つの自治体ではなくて,ネッ
トとして民間病院も含めて,この地域に対して何をやるのか,そのときのコミュニケ-シ
ョンをどうするのかとか,情報デザインと医療をどうするのかとか,そこまで考えてから
やらないと,ただ無くなったものをぽっと入れれば良いという話ではないと思うんです。
今あるものに手を入れるのは楽なんですけども,リニューアルするとか,スクラップアン
ドビルドになると,その先を見ないと分からないし,そうすると,どんどん減ってきたも
のに対して,どんな対応をするかとか,それに対して,物理的ではない応援の仕方もある
かもしれないし,そこを何とかしないと。そういう絵を描いたうえでここにこの病院作る
から良いよねとかやらないと,これから大変だと思います。そこのところを含めて,我々
に意見を聞かれれば言いますけども,体制をどうするかは検討いただいて,我々の知識を
使えるところは使っていただいて問題ないですけども。そこははっきりどうするか決めて
いただければなと。よろしいですか。
□藤田管理部長
今の件に関しましては,この次に出していく時には,そこまで詰めなきゃならないと思
っています。前段では一回それなりの案の形で,もちろん函病の木村院長ともお話させて
いただかなきゃならない部分が出てくると思います。南茅部との連携という形でも当然出
てくると思います。それから,南茅部の地域の方々のご意見も,また改めてお聞きしたい
なと思います。
■鎌田委員
改めて確認ですが,今木村委員が仰ったのが,アルファでありオメガだと思います。南
茅部に医療機関があって,市としてどういうその地域に対するケアを考えるのか,それが
スタートだと思うので,スタートでありエンドだと思うので,そこをしっかり示していた
だきたい。
■吉川委員
対話の場を作るうえで,ある程度形がないとなかなか皆さん話ができない。岩田委員長
が今言ったように,A,B,Cどれかって言われたら確かにAとなりますが,とりあえず
たたき台で,こんな形がありますよっていうところです。木村委員が言ったように地域医
療構想で語られることもあるし,我々がデータを示して,例えば救急医療が欲しいと言っ
ても,救急医療は今こういうふうになっていますとか,高度急性期が欲しいと言っても,
実際には患者さんの流れはこうですよ,というのを示しながら,議論したいと思っていま
す。ただ,今,事務レベルでの折衝ですので,とりあえず形を示したというふうに思って
いただければなと。
■岩田委員長
はい。決め方を明確にしたうえで決めていかないと,ずっと尾を引きそうなので。
■熊谷委員
南茅部の地域審議会の方に私の方から部長へお願いして,3回ほど懇談会開いていただ
きました。やっぱり皆さん感じているとおり,どれがいいですかということになるとA案
なんですよ。ただ,数字的に見るとA案は厳しいです。しかし,自治体病院のあり方から
いくと,数字が赤になるから小さい病院がいいのではないかとか,いらないよとかそうい
うものにはならないと思うし,そこらへんも懇談会の中でも出ておりましたので,地域の
ニーズにあった診療科目,内科は当然必要ですから,その他に地域の患者さんがどういう
患者さんが多いのか。そこら辺で医師の体制をどうするのか。ここら辺のものも調査して
いただいて,方向を決めていただければなと思います。部長の方からも,今後また細かい
点について,地域に入って懇談しますよということですので,ありがたいことだなと思っ
ています。
それと,来年再来年の話でないものですから,将来的にもし可能であれば,地域の希望
は加藤先生になるべく長くいていただければなと,そういう要望もあります。一つ無理な
お願いですけども,聞いていただければありがたいなと。地域を代表してここでお願いし
ていきたいなと思っています。よろしくお願いいたします。
■岩田委員長
我々の機能は,地域の方から直接要求を受ける委員会ではないので,わかりましたとい
う回答はできませんので。
■熊谷委員
院長先生と局長にお願いすることですから。
■加藤委員
確かに今後非常に悩ましい。この表を3つ見てもどれも赤字ですから,赤字少ないのが
いいと言っても,経営だけの問題で判断するのか,それは我々が判断できない政治的な判
断もあると思います。だけど,政治的なことを考えれば,南茅部の地区は大体100億円く
らいの水産の収益があるわけです。病院無くなっていくと,どんどん人口減って,実際漁
師も辞めています。そういう地域で,函館全体の中の経済を含めた政治的な判断が必要で
はないかと。単に,経営の問題だけでは言えないこともあるのではないかなと。
入院患者数は私の考え方とちょっと違いますけれど,一般と療養を一緒にまとめてやる
病院がいいのか,あるいは一般だけでやった方がいいのか,こうなったらまたA’みたい
な,あるいは34床でなくもっと減らした病院でやるかとか。あるいは医者は4人だけどあ
と1人どうするんだっていう問題も今色々大学の方でもやっています。なかなかどこの医
局も医者がいなくて,皆さん年寄りですので定年になってしまう。何年までいるのか,そ
の後誰が医者を連れてくるのかという,そういうことも考えなければ。辞める医者が探し
てくるのも人事的にどうなのかなってこともありますし。医者が集まらないと私の責任と
言われるし,一応努力してやりますけども。
いずれにしても地域の住民の皆さんの希望はAでしょうけども,Aにしても少し色んな
バリエーションがあるのではないかと思っています。
■岩田委員長
わかります。十分に理解しています。これは南茅部に限ったことではなくて,日本中ど
こにでも同じようなものがあるので。最終的には,だから私が今日言いましたように,ど
うやって決めるんですかということです。結果的には政治の世界で決めることであって,
ある方向が出たときにそれを最類化するのが我々の仕事だと思っています。ですから,こ
こで結論はでないけれども,色々な意見を言うのは良いことだというふうに思っています。
■熊谷委員
地域の皆さんの要望は,ベッド数が34でいいよとか,絶対今の50以上のベッドが必要だ
ということじゃないです。基本的には,緊急のとき,事あるときには入院ができる,そう
いう病院。それと,地域のニーズに合ったそういう科を設けていただければなってこと,
内科も含めてですね。それと,救急医療も当然必要ですから,一次産業で危険な職業なも
のですから,これをクリアできれば,あとベッド数の問題については,今後地域と色々協
議をした中で,34がいいのか,30がいいのか,25がいいのかという話になってくると思う
ので,ですから,今言ったような基本的な考え方で皆さんお願いしてくれっていうことな
もんですから。ですから,局長なり院長の方はよろしくお願いしたいなと。
■岩田委員長
その話になると,それを詰めたいずれ審議会を開かなきゃいけないところなんですけど,
そういう意見もあるということを,今日はお聞きしたということで。
では長い間ありがとうございました。会議はこれで終了させていただきます。では事務
局の方から。
□秋元次長
ありがとうございます。次回の委員会は27年度の第3四半期の事業実績を議題としまし
て,2月の開催を予定しております。皆様には改めてご案内させていただきたいと思います。
以上をもちまして,本日の委員会を終了いたします。ありがとうございました。
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